ダークモードはバレてしまう

携帯電話の主流がガラケーからスマホへ変わろうとする時期には、ガラケーの画面寸法もそれなりの大きさがあって、その頃の私は隙間時間の活用方法の1つとして携帯電話で小説を読んでいました。
だから、私は当時から、電子機器の画面の基調色は暗色であるべきと考えていました。
そんな私にとってiOS 13の新機能、ダークモードは待ち望んでいたものでした。
しかし、ダークモードはiPhoneに隠された欠点を暴いてしまうことに気が付きました。

iPhone X, XS, XS Maxのディスプレイは有機ELが採用され、Appleはそれらに「Super Retina HDディスプレイ」と名付けています。
Super Retina HDディスプレイには表示が低照度・低彩度・低明度のとき、表示の更新が極端に悪くなるという短所があります。
私はこれを「残像問題」と呼称しています。
具体的には、暗い部屋で画面の明るさが暗いとき、黒地に灰色の文字やボタンを表示して画面をスクロールすると、スクロールに対して表示が遅れて着いてきます。
ダークモードでは簡単にそれ再現することができます。部屋を暗くして設定を開きスクロールする。それだけです。
設定項目のアイコンや文字に対して、タップできる灰色の部分が遅れてスクロールする様子が確認できるはずです。
ライトモードでは遅れが生じないので、比較すれば違いがわかります。
ダークモードでは低彩度・低明度の表示になる場合が多くなるので、このSuper Retina HDディスプレイの短所が露呈しやすくなるのです。

iPhone XSまでのiOS 12では低彩度・低明度な表示となる場合が(特にApple純正アプリでは)少なく、Appleは残像問題に気付いていなかった可能性があるのではないかと思います。
しかしiPhone 11世代はダークモードを表示することが前提の機種です。
そしてiPhone 11 Pro, Pro Maxの有機ELディスプレイは従来のSuper Retina HDディスプレイから「Super Retina XDRディスプレイ」に変更されました。
この記事を書きながら、Super Retina XDRディスプレイでは残像問題を解決している可能性があるのではないかということに思い至りました。
私はiPhone 11世代を購入しないので確認することができませんが。
もしかしたらSuper Retina XDRディスプレイでコントラスト比や輝度が向上したことは、問題解決の副産物というだけのことなのかもしれません。(私の勘繰り過ぎかもしれません)