GPD Pocket 2 不具合事例

GPD Pocket 2を購入しました。
超小型ながらWindows10を搭載し、いっぱしの性能持つノートPCです。
以前から、このようなノートPCが欲しいと思っていました。
先日YouTubeで紹介されていたのを見てGPD Pocket 2の存在を知り、気付いたら既にポチっていました。

f:id:b131:20191102130138j:plain


GPD Pocket 2といえば、①寸法と重量、②性能、③キーボード配列、この3点が注目されがちだと思います。
しかし、購入前に簡単に調べた範囲では見付けることができなかった不具合を、幾つか発見したのでブログに記しておきます。

■■■■■■■■■■■■■■■

不具合1:起動しない

電源を入れると「Cannot find required map name.」というメッセージが表示されて先に進みません。
意訳すると「Windowsが見付からないよ」ということです。
原因はBIOSの設定にありました。
起動ディスクが外部ストレージになっていたので、内蔵ストレージに変更することで無事にWindowsを起動することができました。
特定のタイミングでUSBメモリを挿す或いは挿さっていると、起動ディスクが外部ストレージになるようです。
公式Webサイトに、この挙動を修正するBIOSのパッチファイルがあったのでインストールしておきました。

■■■■■■■■■■■■■■■

不具合2:Cortanaがうるさい

不具合ではなく仕様ですが、不具合と言っても差し支えないと思います。
初回起動時はWindowsのセットアップが必要なのですが、セットアップを案内する音声がアホみたいにデカいです。
ノートPCあるあるかもしれませんが、GPD Pocket 2は本体が小型なためか、異常にうるさく感じました。
セットアップ画面にはタスクバーが存在しないから、とっさにはどこを操作すれば音声を消せるのかわからないし、そもそもGPD Pocket 2はポインティングデバイスが特殊なので操作もままなりません。
私がセットアップを開始したのは昼間だったし、とっさにイヤホンの延長コードを挿して難を逃れることができました。
しかし夜間に被害に遭ったという方は多いのではないかと思います。

■■■■■■■■■■■■■■■

不具合3:グラフィック機能が特殊

GPD Pocket 2を初期化するとき、リカバリ中の画面は横向きです。
つまりハードウェアの構成としては、ディスプレイは90度回転した状態で組み立てられていて、ソフトウェアで画面の向きを変えているのです。
だからシステムのグラフィックに干渉するソフトは正常に動作しない場合があります。
私が経験した範囲では、「UltraVNC」と「Photoshop CS2」が正常に動作しませんでした。
UltraVNCは、クライアント側での操作は等倍、表示は4倍という状態になりました。
動いてはいますが使える状態ではありません。
Photoshop CS2は最終的に起動すらできなくなるのですが、解像度が異常に細かい表示になりました。
試していませんが、他のバージョンのPhotoshopでも同様の症状になっただろうと思います。
他のPCでは発生しない、GPD Pocket 2固有の現象はこれら以外にも発生する可能性があると思います。

■■■■■■■■■■■■■■■

不具合4:天板の干渉

ノートPCは筐体が小型であるほど使用時のディスプレイの位置が手前になるので、開度が大きいことは重要です。
GPD Pocket 2は天板を175度まで開くことができます。
ところが、蝶番の構造に問題があって、天板をある程度以上開くと、天板の端が机に干渉します。

f:id:b131:20191102130200j:plain


上の写真では、底面の滑り止めが浮き上がっていることが確認できます。
机にも、そしてGPD Pocket 2にも傷が付く可能性があるので、これは看過できません。

■■■■■■■■■■■■■■■

不具合5:USB

左側のUSB差込口は上下(表裏)が逆です。
そしてUSB3.0ではなくUSB2.0らしいです。
見た目は3.0なのに2.0な性能のは、不具合だと思います。

■■■■■■■■■■■■■■■

使ってみると、意外に良かったと感じた点もありましたので記しておきます。

■■■■■■■■■■■■■■■

良かった点1:駆動電力

GPD Pocket 2に付属の充電器は出力15~24Wです。

f:id:b131:20191102130233j:plain


付属品ではない、出力10Wのスマホ用充電器でも充電することができました。
これは長所と言えると思います。

ただしCPU負荷率が80%程度を超えると「充電されていません」になります。
ちなみに出力30Wの充電器に繋いでも、高負荷では「充電されていません」になります。

■■■■■■■■■■■■■■■

良かった点2:キーボードの触感

GPD Pocket 2のキーボード配列はド変態ですが、押し心地は良好でした。
打鍵の反応は予想よりカッチリして、剛性感がありました。
もう少しストロークが浅く、そして押力が弱ければとは思いますが、そこまで完璧でなくても充分に好印象でした。

ただし配列は変態過ぎです。
GPD Pocket 2のキーボードは要所が崩れてはいないので記号の配置さえ飲み込めば大丈夫そうに見えますが、実際に触ると、事前のイメージとはかなり違いました。

f:id:b131:20191102130254j:plain


ホームポジションに指を添えた時点で違和感が大きすぎるので、これは慣れないと悟りました。
逆に、GPD Pocket 2のキーボードに慣れることは、通常のキーボードを使えなくなる危険がありそうだと感じました。
「↑」と「.」を入れ替えて、全体的に2~3mm程度左にずらせば、かなり違ってくると思います。

ついでに言うと、ポインティングデバイスも駄目です。
GPD Pocket 2のポインティングデバイスは、マウスをひっくり返してセンサー部を指でなぞるような操作感です。
ポインティング・スティックもタッチパッドも使いこなした私ですが、GPD Pocket 2は受け付けられませんでした。
ポインタを素早く大きく動かすことも、正確に微細に動かすことも、どちらも操作性が悪いので極めて中途半端です。
省スペース化のためのアイデアとしては優れていると思います。
優れているけど、失ったものが大き過ぎます。絶対に譲れない重大な理由がない限り、外付けマウスを使うべきです。

■■■■■■■■■■■■■■■

GPD Pocket 2のような尖った製品は、使う人によって、その製品に何を求めるかによって、長所が短所になり、また短所が長所にもなります。
しかしそういうのとは違って、不具合は不具合です。
GPD Pocket 2は非常に良くできた製品だと思いますが、上に記した不具合には詰めの甘さを感じました。
ただし、スマートフォンタブレットが台頭する現在、コストダウンも非常に重要です。それを考慮すれば上記の不具合は許容範囲内であり不満ではありません。
私はGPD Pocket 2という製品を高く評価します。
手にして使うことができたということを幸福に感じます。