MacでWindowsを使う、方法と評価

私は複数のPCを所有しています。
最近はほとんどMacを使っています。しかしWindowsは必要です。
Windows PCとMacを個別に使うのは作業性が悪いので、Mac上でWindowsを使う方法を考えました。

Macを使いつつWindowsを使う方法は幾つかあります。
維持費や学習コストを考慮すれば、現実的な方法は3つです。

(1)デュアルブート
Apple純正の「Boot Camp」を使って「Mac上」でWindowsを使う。

(2)仮想PC
仮想PCソフトを使って「macOS上」でWindowsを使う。
フリーソフトもありますが、ここでは「Parallels Desktop for Mac」の使用を想定します。

(3)リモートデスクトップ
Macから「別のPC」をリモートコントロールで操作する。
ここでいうリモートデスクトップはクライアント側に仮想デスクトップを構築するWindowsの機能を指します。
VNCmacOSの「画面共有」とは違います。

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これらの方法の優劣を、下記の項目で評価します。

①安定性
②Win-Mac連携
③コスト(初期投資)
④コスト(維持費)
⑤動作速度
⑥機動性

①安定性
安定性とは各種のソフトやアプリ、ひいてはシステム、つまりOSが安定して動作するかということです。
仮想PCはデュアルブートリモートデスクトップに対して問題が多いようです。
ならばデュアルブートリモートデスクトップが盤石かというと、そうは限りません。
デュアルブートではMacの機種によって特定のハードウェア、例えばBluetoothWi-Fiが安定しない場合があるようです。
リモートデスクトップではハードウェアアクセラレーションによる描画を行うソフト、例えば画像編集ソフトやゲームソフトの動作が不安定になる場合があるようです。
ただし、これらはドライバの更新やハードウェアアクセラレーションを無効にするなどの設定変更によって改善する可能性があります。

②Win-Mac連携
WindowsmacOSの切り替えや連携がスムーズに行えるかどうかという評価です。
デュアルブートWindowsmacOSを切り替えるためには再起動が必要です。macOSを使いながらWindowsを使うことはできません。
仮想PCとリモートデスクトップではmacOS上でWindowsを使うことができるので、切り替える際に作業を中断する必要がありません。
Parallels Desktop for Mac」には、macOSからWindowsにファイルをドラッグ&ドロップできるなど、更に利便性を向上する機能があります。

③コスト(初期投資)
環境を構築するために必要な費用です。
Boot Camp」は無料なので、デュアルブート環境を構築するために必要のはWindowsのライセンスを購入する費用だけです。
仮想PC環境の構築には、Windowsのライセンスと「Parallels Desktop for Mac」を購入する費用が発生します。
リモートデスクトップ環境を構築するためには新規にPCを購入する必要がありますが、余っているPCがあれば活用できます。
リモートデスクトップ用のWindowsにはProfessional Editionが必要です。用意したPCがHome Editionなどであれば、Professional Editionにアップグレードする必要があります。

④コスト(維持費)
Parallels Desktop for Mac」がmacOSのアップデートによって使えなくなった場合は、新しいバージョンのParallelsを購入する必要があります。
古いバージョンのParallelsでも使い続けられる場合があるようですが、安定動作のためには新しいバージョンを購入するべきだと考えます。
Parallelsを、永続ライセンスではなくサブスクリプション方式で購入した場合は、更新費用が発生します。

⑤動作速度
デュアルブートリモートデスクトップでは、動作速度は各PCのハードウェア性能次第です。
ただしLAN環境が悪い場合、リモートデスクトップの操作性に影響する場合があります。
仮想PCは1つのPC上で複数のOSを同時に動作させるため、それ相応のマシンパワーが必要になります。
PCの仕様が「Parallels Desktop for Mac」必要条件を満たしていても、実用上問題となるほど動作速度が遅いというケースが散見されるので注意が必要です。

⑥機動性
ノートPCを持ち運び外出先で使うという場合は機動性を考慮する必要があります。
リモートデスクトップ環境を持ち運ぶというのは非現実的です。
WindowsもノートPCであるとしても、外出先ではWindows on Macな使い方にはなり得ないと思います。

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評価をまとめると次のようになります。

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私はMacBook Proを持ち運ばないので、機動性を無視すればリモートデスクトップが最適となります。
そもそも、私の価値観では安定性とWin-Mac連携が重要なので、それだけでリモートデスクトップが最適解となります。

個人的見解ですが、リモートデスクトップWindows on Macの構築を望む多くの方におすすめできる環境だと考えます。
新規にPCを購入する場合は業務用PCの払い下げを中古で購入することをおすすめします。
最低限の、ただし低過ぎない性能を有し、安価で、余分なハードやソフトが付属せず、省スペースな筐体で、WindowsはProfessional Editionを搭載するケースが多いので、リモートデスクトップ専用機に適していると思います。


【補足】

リモートデスクトップを利用してWindowsにアクセスすることができるのは、PCだけではありません。
Microsoft純正のiOSリモートデスクトップアプリがあるので、これを利用すればiPhoneiPadからアクセスすることができます。
つまり、Windows on iPadな使い方もできるのです。
イデア次第で、更に利便性を高めることができると思います。